みなさま
いつもグリーンピースのメールを読んでくださり、どうもありがとうございます。
グリーンピースの高田です。
あっという間に半年が過ぎ、2025年も残り6ヶ月ですね。
先週は各地で猛暑日となりましたが、みなさんはどのようにお過ごしになりましたか?
この暑すぎる季節を迎えるにあたり、これまで語られることの少なかった気候変動と“あるもの”とのつながりについてお伝えしたく、キャンペーンを担当する高田からみなさんへ、お手紙のように綴ってみました。
昨年の夏から、私の娘の小学校では、夏休み中のプールが中止になりました。「登下校中の熱中症の危険が高まっている」ことが理由です。昨年は、日本各地で観測史上最も高い気温が記録された年でもありました。
そして、この6月。各地ではすでに猛暑日となり、東京でも真夏日が続いています。異常なほどの酷暑、激しい豪雨、桜や紅葉の時期のずれ、農作物の作柄や伝統行事の変化—。
みなさんも、日々の暮らしのなかで、気候変動の影響を実感していらっしゃるのではないでしょうか。
豪雨や熱波は古くから人々を苦しめてきた「天災」ですが、近年の頻発する異常気象の背景には、人間の経済活動等による温室効果ガスの排出が原因にあります。温室効果ガスの排出に伴う地球温暖化が、気候のバランスを乱している――。その事実が科学的にも明らかになっています。気候変動は「天災」だけでなく、「人災」でもあるのです。
グリーンピース・ジャパンでは、日本が世界第5位の温室効果ガス排出国であることを踏まえ、排出削減に向けた複数の活動を展開しています。
その中で、私は「クルマ」と「自動車会社」からの排出に注目しています。そう、「○○」とはクルマと自動車会社のことです。
「世界一暑い観光地」として知られる米カリフォルニア州のデスバレー国立公園=2024年7月 © David McNew / Greenpeace
日本の排出量を見てみると、およそ半分が「産業」と「運輸」分野から出ています。実は、この両方にクルマが深く関わっているんです。
たとえば産業分野では、車のボディにも使われる「鉄鋼」をつくる過程で大量の温室効果ガスが発生します。そして運輸部門では、自家用車、営業用トラックなど自動車からの二酸化炭素排出量が国全体の約16%を占めています。自動車が、ガソリンなどの化石燃料を使って走れば走るほど、温室効果ガスは増えていきます。
日本の自動車メーカーが報告している温室効果ガス排出量も見てみました。
すると驚くことに、最大手の3社(トヨタ・ホンダ・日産)が世界中で排出する温室効果ガス(年間排出量)は、日本全体の排出量に匹敵していたのです。
この事実を知った時、これは大手自動車会社さんにも、なんとか排出量を減らしてもらうよう働きかけを強めたい、と突き動かされました。
より良い公共交通機関の実現を求めたアクション。通行人からバスや鉄道サービスの改善に関する提案を書いてもらい、EVバスを模した赤い箱に集めた=2025年3月、ドイツ
私は徒歩や電車で移動することが多いのですが、新潟の山間地にある母の実家に行ったときや、家族旅行で離島に行ったときなどに、クルマの便利さとありがたさを実感します。
クルマという社会インフラは、なくてはならないものです。日々の暮らしはクルマによる物流に支えられていますし、自動車産業は日本経済を支え、何百万人もの雇用を生み出しています。
だからこそ、自動車会社さんには解決に向けた力となってほしいのです。私達の今と未来の暮らし、地球に生きるすべての命を守る方向に、リーダーシップと取り組みを加速してほしいのです。
グリーンピースでは2021年から、日本の大手自動車会社と意見交換を重ね、脱炭素を求める働きかけ(キャンペーン)を続けています。
今後もこのようなメールでみなさんに、キャンペーンの展開や進捗、舞台裏などをお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よろしければ、こちらのメールに対するみなさんの率直なご感想や疑問を、ぜひお聞かせください。
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本キャンペーンに関する次回配信は、7月下旬を予定しています。
グリーンピース・ジャパン プロジェクトマネジャー
高田久代
[配信元] 国際環境NGO グリーンピース・ジャパン グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。 |
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