みなさま
いつもグリーンピースのメールを読んでくださり、どうもありがとうございます。グリーンピースの高田です。
前回のEVのメールにも、感想をお寄せいただき、ありがとうございました。これまでより「びみょう」に回答された方が多く、なんだかモヤモヤする…と感じられた方も多かったのではと推察しています。そうですよね…私もまだまだお伝えしたいと思うことがたくさんあります。これからも引き続き書いていきたいと思いますので、どうぞ率直なご感想を伺えたら大変ありがたいです。
今回は、Drive Changeキャンペーンで新たに始めた署名のお知らです。
9月29日、Drive Change キャンペーンでは日本を代表する企業の一つであるトヨタ自動車の豊田会長と佐藤社長宛のオンライン「応援署名」を開始しました。
この署名は、トヨタ自動車さんが脱炭素へのリーダーシップを発揮し、増え続けるトヨタさんからの総排出量を削減できるよう、みなさんからの応援の声を届けることが目的です。
年間1000万台を生産するトヨタさんの温室効果ガス総排出量(2023年度)は、5億9,389万トン*1で、これは、日本の年間排出量の半分以上に匹敵する規模です。しかもそれが増加傾向にあるんです。
こうした背景から、トヨタさんに総排出量の具体的な削減目標を打ち立ててほしい、そんな挑戦を応援したい!という思いで署名を立ち上げました。
1997年にトヨタさんはハイブリッド車を世界で初めて量産し、新車1台あたりの排出量を減らしてきました。この功績は環境技術の歴史に残るものです。
発売当時、車の形にくりぬいた葉っぱのロゴからはじまるテレビCMが頻繁に流れていたのを今でもはっきり覚えています。当時から環境問題に関心があったので、「21世紀に間に合いました」と、CO2排出量の半減をうたったプリウスのCMは強く印象に残りました。
トヨタさんはその後もハイブリッド車の改良を続けています。でも、いくら1台あたりの排出量を削減できても、クルマを製造して売れば、それだけ排出量は増えていきます。クルマは廃車となるまで15年ほどかかるので、2025年に販売されたクルマは、2040年ごろまで温室効果ガスを排出することになります。これでは、パリ協定が掲げる「産業革命以前からの気温上昇を1.5℃に抑える」という目標は到底達成できません。
トヨタさんは、より排出量の少ないバイオ燃料などの研究も続けていますが、より根本的な取り組みとして、化石燃料を使うクルマの販売を減らしていくことが排出量削減により効果的ではないでしょうか
グリーンピースは、2021年に社長さん宛にお手紙を差し上げて以来、働きかけを続けてきました。ありがたいことに、担当部署の方と意見交換を何度もさせて頂きトヨタさんが気候変動に向き合い、社内で真剣に議論されている様子を感じています。だからこそ、増え続けている自社の総排出量を強く懸念されているはずだとも感じています。
トヨタさんは 、すでに「2050年カーボンニュートラル達成」を宣言しています。 この応援署名では、その道筋として、総排出量をいつまでにどれくらい削減するか具体的な目標の設定を求めます。
1.5℃目標に整合する総排出量の削減目標を打ち出すことは、経営計画を大きく変更することにもなり、とても困難な挑戦だと認識しています。でも、先見性と高い技術力を持つトヨタさんだったら、その困難に挑んで下さるのではないかーー。
トヨタさんに「1.5度に間に合いました」という削減目標をぜひ出していただきたい。応援の声を集め、トヨタさんが脱炭素のトップへ、次の加速をする後押しをしたい。
もしみな様も共感くださるなら、ぜひ、ぜひ、応援署名にご参加ください。
グリーンピース・ジャパン プロジェクトマネジャー
高田久代
*1 トヨタ自動車が発表したスコープ1・2・3の総量。二酸化炭素換算。国際的な排出量の算定基準「GHGプロトコル」に基づく数値であり、自社の工場などからの排出だけでなく部品の調達といったサプライチェーン上の排出から、世界で販売された車の使用・廃棄までの排出も含む。
[配信元] 国際環境NGO グリーンピース・ジャパン グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。 |
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